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弁理士 佐藤 睦
近年、地球温暖化に代表される環境問題への懸念から、二酸化炭素の排出量削減など、環境保護についての国際的な動きが高まっている。これらの動きは、企業活動にも大きな影響を与えており、ハイブリッドカーや太陽光発電を始めとする、いわゆる“エコ技術”の開発も盛んに行われるようになってきている。行政庁も、これを後押しするように、いわゆるエコカー減税などの特例措置を設けたり、太陽光発電の余剰電力買取制度を導入したりしていることは、ご存じの方も多いだろう。
この流れに乗るように、日本特許庁においても、環境にやさしい「グリーン技術」に関する研究開発の成果をいち早く特許権により保護すべく、昨年11月から試行的に、「グリーン関連出願」を「早期審査」の対象に加えた。これにより、「グリーン技術」に関する研究開発が促進されることが期待されている。
「早期審査」とは、特許出願の審査を通常に比べて早期に行う制度である。特許出願の審査は、通常、出願人から審査請求がなされた順番で、順次行われていく。しかしながら、特許庁は、未審査の特許出願の“在庫”を多く抱えており、審査の順番待ちに要する期間は、2008年平均で28.5ヶ月に上っている。したがって、早期に普及することが期待されるエコ技術であっても、特許の取得に3年近い期間を要する場合もある。
これに対して、「グリーン技術」に関する特許出願について、早期審査に関する手続をし、その適用を受けると、28.5ヶ月を要していた順番待ち期間が大幅に短縮される。早期審査が認められた場合には、順番待ち期間が2.0ヶ月となり(同2008年平均)、2年以上短縮されることになる。これは、特にライフサイクルが短い技術にとって、極めて大きい意義を有するものと思われる。
「グリーン技術」について、この早期審査の適用を受けるためには、「早期審査に関する事情説明書」を提出する必要がある。事情説明書では、(1)特許を受けようとする発明が、省エネ、CO2削減等の効果を有する発明であることの合理的な説明を簡潔に記載すること、(2)先行技術調査を行なった上で、先行技術との対比説明を行なうこと、の2点が要求される※1。以前は先行技術調査に多大な労力や費用がかかっていたが、現在は、特許庁のHPにおいてもデータベースが整備されており、個人でも、先行技術調査を容易に行うことができる環境が整っている。また、早期審査の適用を受けるために、特許庁に追加の費用を支払う必要もない。
このように、早期審査制度は、比較的簡便に利用できる一方、その利点は大きいものであるため、エコ技術を開発した企業、発明家の方々に、大いに利用してもらいたい制度である。
(掲載日 2010年3月23日)