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『法改正検知ツール「法令アラートセンター」を活用したグループ会社全体コンプライアンス推進体制の構築のご紹介』
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高島国際特許事務所※1
所長・弁理士 高島 一
医薬品業界においては広く知られていることであるが、我国の大手新薬メーカーには、2010年問題という大問題が存在している。2010年前後に、大手新薬メーカーの保有する大型医薬の基本特許の特許権が、アメリカに相次いで特許切れとなるのである。
2008年には、「プログラフ」(アステラスの免疫抑制剤)が、2009年には、「タケプロン」(武田薬品の抗潰瘍剤)が、「ハルナール」(アステラスの免疫抑制剤)、2010年には「アリセプト」(エーザイのアルツハイマー型認知症薬)が、2011年には「アクトス」(武田薬品の糖尿病薬)、2013年には「パリエット」(エーザイの抗潰瘍)などが特許切れとなる。
特にアメリカにおいては、FDAがジェネリックの推進を図っていることに起因して、特許切れになると、即座にその50%程度はジェネリックに侵食されることになる。上記のような大手新薬メーカーは売り上げの半分程度は米国に負っているところが多く、2010年問題は、大手新薬メーカに対して大きな影響を与える深刻な事態である。例えば、年商3000億円、4000億円にも及ぶ医薬の特許権の存続期間が、1ヶ月延長されるだけでもその売り上げに与える影響は多額に及ぶことになる。従って、特許権の存続期間は、特に大型医薬にとって極めて大きな影響を及ぼすものである。
ところで、日本においては特許権の存続期間は出願から20年である。しかしながら医薬品の場合には非臨床試験、臨床試験、厚生労働省の承認を経てはじめて上市されるものであるから、他分野に比べて特許による独占権の享受期間が短すぎる。医薬のかかる特異性を考慮して、医薬特許については、特許権存続期間の延長制度を採用する国が多い。日本においては、上限5年を限って存続期間の延長が許されるが、この延長期間が妥当な長さか否かには問題のあるところであろう。
上限5年の延長でも依然として、他分野に比べて特許保護に欠けるきらいがあり、新薬開発に対する開発意欲、我国製薬業界における国際競争力の強化を配慮すれば、延長期間はより長くするのが得策であろう。他方、保険財政の逼迫、高齢化社会等を配慮すれば現行の期間でよいのかも知れない。2010年問題を考える時、現行の特許権の存続期間の延長制度の当否が頭をかすめる。