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教育支援活動
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教育活動支援

京都大学法科大学院「ビジネス法務調査とプレゼンテーション」
(ウエストロー・ジャパン株式会社 寄附講義)
をサポートしました。


授業情報

科目名 :ビジネス法務調査とプレゼンテーション【後期15
ビジネス法務調査とプレゼンテーション[Legal Research and Presentation]
担当教員 :児島幸良 客員教授 (琴平綜合法律事務所 パートナー弁護士)
開講箇所 :大学院法務研究科


シラバス情報

演習形式による。


授業概要
ビジネス法務において求められる調査とプレゼンテーションの基礎と応用に関する授業を通じて、最新のビジネス法務上の問題につき、一目瞭然な形式と必要十分な内容を兼ね備えたレポートを期限までに作成する能力と、それをレジュメとして用いて短時間で簡にして要を得たプレゼンテーションを行なう能力を涵養する。あわせて、ビジネス法務における法律実務家の様々な役割について理解する。

授業の到達目標

下記「授業計画」記載の各項目について理解・修得し、上記「授業概要」記載の成果を得ることである。


授業計画


児島先生からのコメント

最優秀のレポートを提出した者は「ベスト・リーガルリサーチャー・オブ・ザ・イヤー」、最優秀のプレゼンテーションを行った者は「ベスト・リーガルプレゼンター・オブ・ザ・イヤー」として、ウエストロー・ジャパン株式会社から記念杯(所属と氏名を記載したペナントを結びつけて顕彰)を授与し賞状と賞品を与える。

受講者

「ビジネス法務調査とプレゼンテーション」を終えて

大坪洋祐 平成29年3月1日

第1 なぜ受講したか

1 本講義を選んだ理由は、自分の考えを人に伝える力を伸ばしたかったからです。

2 京都大学法科大学院では1学年が3クラスに分かれ、クラスごとに講義を受ける機会が多いのですが、1クラスの人数は50名程度にもなるので、教員と学生との間で対話を続けながら結論を目指すというソクラテスメソッドを享受できる機会にも限界があります。

3 しかしながら、人が一人でできることは知れているので、何か成し遂げたい大きなことが生まれれば、その考えを誰かに伝え協力を得なければなりません。

4 そこで、卒業後に何をするにしても、伝える力を伸ばすことは役に立つ機会が多いのではないかと考え、本講義を受けることにしました。

第2受講して得たもの

1本講義を受け、まず情報の取捨選択の重要性をひしひしと感じました。

  (1)本講義で与えられた課題は、「『ある企業の大規模不祥事事件が再発した場合に、その企業を顧客とする会社が連鎖倒産しないためには、どのような法的対策が考えられるか』を、レポートにまとめ、短時間でプレゼンをする」というものでした。そこで、過去の事例を調べ、その事例と設例の相違点を洗い出し、生じるリスクの異同が講じるべき法定対策にどのように影響するかから検討を始めました。

  (2)しかし、検討を始めるとすぐに、この検討結果を単純にA4裏表1枚に抑えることはおよそ不可能であることが分かりました。何を伝えるか決めるということは、何を伝えないかを決めることであるということ、そして、伝える何かと伝えない何かの境界は、目的によって規律されるのだという情報伝達の本質への理解度が問われていることに気づかされました。A4裏表1枚に限られることで、線引きの難しさがより際立ったのではないかと思います。

2次に、顧客の声に耳を傾けることの重要性に打ちのめされました。

  (1)目的によって規律されるのは、情報の取捨選択の基準だけではなく、情報収集の仕方、選び取った情報の順番の決め方、組み立て方、見せ方、話し方など、リサーチからプレゼンに至るまでのおよそすべての行動及び決定に及びました。目的は何なのか、及び、その目的との関連性はあるのか、どの程度なのかに常に気を配ることこそが肝でした。

  (2)そこで、目的は何であるかの検討に入ったのですが、会社から依頼を受けた法律家という想定である以上、その会社の状況や希望を知ることなくして目的や手段を語ることができないことは自明の理でした。しかしながら、ルールによって会社に質問できる回数は1回に限られていました。ゆえに、ゲストスピーカーとしてお越しくださった時の講義内容・質疑応答を振り返り、会社の規模、経済状態、社風、懸念事項などに思いを馳せ、もし自分がその会社の取締役なら何を望むかについて考えを詰めました。

3最後に、企業法務に対して強く興味を持ちました。

  (1)京都大学に入る前にとある製品を作っていた関係で、新しい物を生み出す方々を応援したいと思い、知的財産法に興味を持っています。

  (2)しかし、本講義を受け、次々と入れ替わるゲストスピーカーが、様々な会社の抱える法的問題と、それを乗り越える創意工夫を語ってくださり、そのダイナミックさと刺激の強さにさらされて、企業法務にも携わりたいと強く思うようになりました。

第3ウエストロー・ジャパン様へ

1 今や法律に携わる者に欠かせないデータベースの提供にとどまらず、次代のために素晴らしい講義を支えてくださってありがとうございます。お陰様で、多くの気づきと興味を得ることができました。今の時点で経験できたことは想像以上に大きなアドバンテージになるのではないかと思います。

2 又、「Best Legal Researcher of 2017」という素晴らしい賞をありがとうございました。この賞をいただいたという事実と、今回作成したレポート及びプレゼンは、今後私が提供するサービスレベルの一つの目安になるように思います。この賞に恥じぬよう、昨日の自分を常に乗り越えていけるよう、精進し続けます。

3 最後に、本講義の受講生の中から次代のリーダーが数多く輩出されることは想像に難くありません。ゆえに、今後とも本講義を力強く支えてくださると幸いです。


「ビジネス法務調査とプレゼンテーション」を終えて

京都大学法科大学院 上田知季

1 はじめに
  「ビジネス法務調査とプレゼンテーション」では,ビジネス法務調査の方法やプレゼンテーションといった,実務では間違いなく必要となるスキルを学ぶことができるということで,「司法試験後を見据えた科目」として,この科目を是非履修しようと決めました。

2 授業の感想
  授業では,様々な分野のゲストスピーカーの方々からプレゼンテーションを聴くことができ,とても勉強になりました。また,何より第一線でご活躍されている児島先生からプレゼンテーションの方法,法務調査の方法,顧客との接し方をはじめとした,様々なスキルを学ぶことができたのは,非常に有意義でした。

3 最後に
  今回,プレゼンテーションをさせていただいたことで,自分の未熟な部分を痛感することとなりました。しかし同時に,「実務」というものを多少なりとも知ることができ,とても良い経験をすることができました。これもすべて,普段から私たち法科大学院生をサポートしてくださり,またこのような素晴らしい授業をご寄付してくださったウエストロージャパン株式会社様,この授業の開催にご尽力くださった法科大学院の先生方,それから児島先生のおかげです。本当にありがとうございました。


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